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第6回対話型アート鑑賞会を開催


足利にあるケアハウス田園にて第6回対話型アート鑑賞会を開催しました。今回はアメリカの画家エドワード・ホッパーの作品を鑑賞しました。ホッパーは1930年から1960年代にかけて活躍したアメリカの画家です。工業化によるアメリカの発展とそれによる都会の生活の変化をリアルに描いたという点でのちの消費社会と孤独な群衆の登場を先どった作品を描きました。都会の何気ない風景とともに登場する人物の孤独さは、アメリカの豊かさと大衆社会の裏面をえぐりだしています。というよりも抉り出すのではなく、見つめている。そこに社会批判というようなメッセージ性はなく(例えば工業化によって疎外された人間性や大恐慌による社会不安と不信)、単にリアリズムであり、またそれはのちの大衆消費文化のリアリズムともいうべきポップアートの諧謔志向とも袖を別つリアリズムであるだろうから、おそらくそもそもホッパーは人間の社会性や文化のありように関心があったのではなく、孤独にしか在りようのない人と世界のそのものの関係に注視しこれを描こうとしているのではないかとさえ思われてしまう。私にはどうもホッパーの、絵画はともかく思想はアメリカンリアリズムというよりも実存主義的色彩のほうが強いのではないだろうか・・・などと思ってしまうのである。と、ここまで書いてこれは私のホッパー論開陳の場ではないのでこの辺でやめておきます。今回鑑賞した絵画は有名な『ナイト・ホークス』他『朝のひざし』『ブルックリンの部屋』。思いのほか代表作である『ナイト・ホークス』よりも『朝のひざし』について皆さん活発な感想を述べられたのは意外でした。何か引き付けられるものがあったのでしょうか?以下具体的な発言を記してみます。「40代から50代の年齢だろう」「朝かな?それとも夕方?影が長いからどちらかだと思う」「でも影が青いから朝?」「窓の外の建造物は橋みたいだ」「橋じゃないだろう。ビルみたい」「どこの国?わからない」「物思いにふけっている。こういう時間は必要だよ」「さみしい絵」「この絵は戦前の絵?日本は戦争中だったのにアメリカの暮らしはこんなんだったのか」。                      2018年5月23日 岡村正敏

上『 朝のひざし』下左から『ブルックリンの部屋』『ナイト・ホークス』

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