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特集記事

第38回絵画教室

群馬県桐生市の介護老人保健施設の認知棟にて第38回絵画教室を開催しました(2007年から実施。記録を取り始めてからの38回目になります)。今回は個別絵画教室として2名限定。これまで参加したことの無かった方です。二人とも絵が好きな訳ではありません。「絵は描けない。でも色を塗るだけならいいかな・・・」そんな方々を敢えてお誘いしてみました。今回の課題は「クレヨンで塗り込む感触とそのリズム」を得てもらう事と「画面構成」。

先ず画用紙に好きな色で図形を描いてもらいます。丸を描いてください。四角を描いてください。そして塗りつぶしてください、と言うように。次に塗りつぶされた図形を切り取ります。それを黒い画用紙に配置し画面構成していきます。この様に進行したのですが、一人の方は丸を一つ描いた後はこちらの助言を待つことなく、次々に丸を描いていきました。もちろん私も声をかけません。黙々と40分描かれ、とても魅力的な画面が仕上がりました。もう一人の方は手順通りに進行し、時折助言に従いながら、面白い画面を作りました。二人とも仕上がった作品を見て「なんだかわからない」と言われていましたが、私もよくわかりません。しかし「何だかわからない、もの・事・領域」に、それがほんの数分であっても集中して向き合う事にアートの意義を置くならば、それでいいのかな、と思うのです(※)。

※解らない事を誰かに手順通りに教えてもらい知る事と、何が何だかわからない事(「こと・もの・風景」)にただ一人で向き合

 い、それを解る為に、解る為の方法を探りながら一歩一歩近づいていく解り方とは全く別物です。後者の学びを律するのが

 「アート」という「技術」なのだと思います。

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