「高齢者の介護施設で行う絵画教室の10年間の活動報告と今後の展望」の報告会の報告
報告会の報告
2017年6月10日。「高齢者介護の施設で行う絵画教室の10年間の活動報告と今後の展望」を、足利市民活動センターにて開催しました。第一部は報告会。第二部は「対話学舎 えんたらいふ」の齊藤充氏をファシリテーターに招き対話のワークショップを行いました。長野・東京と遠方からお越しくださった方もいて、冥利に尽きます。有難うございました。
しかし報告の方は時間が足らず、後半まとめに入る肝心な部分(絵画教室の成果・問題点・課題・展望に関する部分)を駆け足にしてしまい、ほとんど報告できませんでした。大きな反省でありまた悔やまれます。
以下はその、成果・問題点・課題・展望の報告です。
大きAとBの成果があり、それぞれの問題点・課題・展望となっています。参加された方々、もしくは参加されなかった方々にも、今後の私の指針としてお読みくだされば嬉しい限りであります。
高齢者の介護施設で行う絵画教室の「成果・問題点・課題・展望」
成果
A ご家族に喜ばれ、本人の生活意欲の上昇にもつながる B 福祉の現場のステレオタイプな在り方を崩す事が出来る 問題点
A アート=絵を描く事に対する苦手意識が強い方が多い B 他の業務を兼ねていると多忙のため、連続的にイベントを開催できない
同僚の無理解。関心の低さ。無視、若しくは「面白い事をやってるね」
でその都度終わってしまう
現場職員の理解を得るのが困難。通常業務以外の事が行われる事に対する
現場職員の反発、反感が強い 課題
A アート=絵画的アプローチの工夫。またはそれ絵画以外の方法を試す B 現場に正職員として働きつつ、クリエイティブな活動を導入する事には限界
がある。活動のセクション化。または業務委託化が必要
介護現場の風土をどう変革するか?内部からの改革は難しい。外部からイ
ンフォーマルに関与する事が求められるのでは?活動のNPO法人化
展望
A アーカイブ。記録と継承の文化。子から孫へ親しい友人へという個人から個
人への思い出を継承する喜び。個人を単位とした文化の拓き(個人概念の再
構築)。個人という点から不特定多数へ面へとして拡散する文化形成とは異
なる、個人から個人へ向かう線の錯綜が蓋然的に面となっているような文
化の展開は可能か?
キーワード(生涯学習・死生学・発表文化・ナラティブ・ライフレビュー)
B 地域包括ケアシステムの中に文化モデルとしてのケアを組み込んでいく(現
在はほぼ医療モデル・安全モデルが中心となっている)。医療モデルとして
のケアから文化モデルとしてのケアへ
上記「成果・問題点・課題・展望」を踏まえたうえで、パラリンピックの遺産を超高齢社会の文化的課題にスライドさせる準備を2020年までに試行していきたいと思老います。