第47回絵画教室「驚く事:カタツムリの制作」
第47回絵画教室(記録を始めてから47回目)を群馬県桐生市の老健で行いました。今回はカタツムリの制作です。5名の利用者で共同制作を行いました。いつものように「絵をかきましょう」と声をかけても断られるのはわかっているので「ちょっと手伝ってください」と声をかけます(そうするとたいてい快く参加してくださります)。
今回の狙いは「驚き」です。まず紙にクレヨンで好きな図形を描いて塗りつぶしてもらいます。この段階では皆さん自分が何をやっているのか理解していません。私が手伝ってくださいと言うのでわけがわからないまま手伝っている感じです。しかし不思議と文句も言わず「きれいに塗れた」とか「ここは何色で塗る?」と作業に向き合おうという姿勢を見せてくれています(自分のために何かを作ったり表現するという事よりも、頼まれたことに対してしっかりやろう、という事がモティベーションになっている様です)。そしてこの段階はまだ作業の要領でしかありません。しかしやがて20分もすると色で塗りつぶす事に集中するようになります。ここでようやく作業とは違った感触を得てくれていれば、と思うのですがそんな時間は一時でしかありません。
さて、図形を何種類も塗りつぶしてもらった後はこれを好きなように紙にペタペタ貼り付けていきます。この段階でもまだこれからどうなるのか皆さん解りません。実は裏にカタツムリを線で描いてあるのです。最後にカタツムリの形に切り取れば、カラフルなカタツムリが完成するのですが、つまり形を切り取るまではペタペタカラフルな図形を貼り付けただけなのです。
形を切り取って裏返したとき、はじめてカラフルなカタツムリと対面する。この瞬間皆さん「わー!」と声を上げて驚いてくれました。今回は成功の部類だったと思います。
2017年5月13日 岡村正敏